みんな好きだと言っている人だったけれど正直なところそこまで思い入れもなかったし、というよりはそのバンドがきっかけで苦い出来事があったから余計に聴かなくなったのかもしれない。今じゃ忘れていたことだけど何かのトリガーになっているようないつかがあって、バンド名さえ目に入らないようにしていたかもしれない。そのような努力をせざるを得なかったのはなぜだろう。そのときの凝り固まったような気分がむせかえる。水色のコートを着た人の気持ちをずっと考えていたことを思い出す。記憶にあるのは後ろ姿だけ。別のことを思ってもいいはずなのに、ラブコールを受けたりカレンダーになりたかったあの娘のことばかり考えて、決まっていつもさみしくなって、聴くのをやめてしまう。

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