出来の悪い作家になっても構わないと勇気を奮い起こすだけでなく—本当に不幸になる潔さも必要。絶望。それに、自分を救って楽になるとか、近道して絶望を省略したりすべきではない。

現実に不幸なのにそれを認めるのを拒めば、自分の主題を剥奪することになる。何も書くことがなくなる。あらゆる主題は燃焼させる。

 —スーザン・ソンタグ『こころは体につられて(下)』