le dimanche

頼まれてテイクアウトをとりにいった日に早口のフランス語を話してた店員のひとたち、テーブルには開いたMacBookに字幕つきのYouTubeが流れていて眺めながら待った、かえりがけにメルシーボク、といったらびっくりするくらいの笑顔でMerci, Au revoir!と返ってきて、そのあと目が覚めるようなピンク色をした加工肉をフォークでつついて食べたっけ。ゴースト・ドッグでアイスクリーム屋を演じるイザック・ド・バンコレを観てから思い出していた。フランス語があんなにも停滞した音節になってしまったのはきっとパリがいつも曇っていたからだ。赤いベッドと、手づかみで食べた鶏と、すれ違った黒人の掃除夫と、自分の経血を、思い出す。