ufstm.

香水をふれば後ろめたさが帳消しになる気がして

風呂から出るとすぐ ふる 手首と胸と髪と首の

うしろ側に よく知った匂いに安心する 湯冷め

してしまった 希薄な身体の内側まで つめたく

浸み込んでいくような雨が降っていた 順調には

いかない仕事のことばかり考えている 死後、と

 

黙っていても見つけてくれることが愛だと思うね

 

つめたい つめに色を塗るときはいつも予想外の

ことが起こる 髪がトップコートにはりつくとか

嘘でしょう こんな 1ミリないような薄い溝に

わたしの存在が否定されたような 気になるのは

思いこみ 自意識のぶあついクッションがひと月

にいちど剥がれ落ちて赤黒い血液になって流れて

しまえばいいのに 不確かな鈍痛を伴った、自我

 

朝になれば見ていた夢のことを忘れていいんだよ

 

今は何もするときじゃないよ